初婚年齢の高齢化

オールド・ミスという侮蔑的な言葉には、結婚の機会を得なかった女性に対する同情と優越の心理が隠されている。

一方ハイ・ミスとなると、それが職場から生まれた言葉であることからも分かるように、30歳近くなっても、あえて結婚をしないでいる女性であり、後輩からすると目ざわりでもあるが、またやや畏怖めいたものを感じる存在である。

昭和三〇年代以降、未婚女性の就職は当たり前のことになった。

また、女性の学歴が高くなると、必然的に就職時の年齢もあがり、ベテランといわれる存在にハイ・ミスが多くなる。

女性の平均初婚年齢が24歳を超えたのは1960年代半ばである。

それ以後も少しずつ上昇し現在では25歳をとうに超えている。

これは未婚女性の就業率と高学歴化に対して相関関係にある。

ちなみに大正時代は21歳、昭和ひとけたで22歳になり、戦後の統計は23歳を示していた。

一方男性の場合は、大正時代25歳、昭和ひとけたで26歳に上り、戦後の26歳から徐々に上って、昭和40年頃、約27歳となった。

現在はさらに初婚の年齢が高くなっている。

ただ、平均初婚年齢はとくに女性で高齢化の傾向がある。

その結果、夫婦の年齢差がちぢまり、平均2歳違いの夫婦が多くなっている。

結婚適齢期

1981年代は、初婚年齢の分布が、男子で26歳〜27歳、女子で24歳〜25歳に集中していた。

それが社会的に結婚適齢期とみなされ、その期間から大幅にはずれることに対して、周囲は無関心でいられない。

高年齢の結婚も以前と比べると増えてはいたが、それでも、女性が30歳をすぎて格別の理由もなく独りでいると、本人の気持はいざ知らず、親や身内は安閑としてはいられなかったのである。そういった感覚は、今の東京でも色濃く残っている。

東京では、グループの人間がなに事にも足並を揃えることに対して強い執着がある。結婚もそうである。

適齢期に世間並に結婚させることが、家族や当事者の心理的な圧迫になることが多い。

つまり、社会的な結婚の強制力が、強く働いて、結婚適齢期なるものをつくり出してゆくのである。そうした状況の解決策になるのが、結婚相談所なのである。

極めて高かった80年代の東京の結婚率

政府(総理府)は1981年、未婚の男女を対象に調査を実施した。

その結果によると、結婚を望まない者は男女あわせて20・3%だった。(その5年前の1979年の調査時点では、18・9%だった)

この内訳は、「一生結婚しないほうがよい」という人はわずか0・4%。「あえて結婚しなくてもよい」という人が20%だった。

未婚の段階で、結婚を望まないと意志表示する者が増えたことに世間はいささか驚いたものである。

ところが、今と違って、当時の東京の結婚率は、ヨーロッパ諸国に比べるとかなり高かった。

中高年者についてみると、50歳代までに結婚の経験のない日本人はわずか1%にすぎなかったのである。

欧米に比べると、10分の1だったのだ。

そして、若い世代にも、欧米型に変るきざしはまだ現われていなかったのである。

期待と現実のずれは、まだ少なからずあるようである。

たしかに、「嫁きおくれ」とか「オールド・ミス」などという言葉で、ある年齢を超えても結婚していない女性を異端児扱いする風潮は80年代にはまだあった。そのことは、逆に、結婚を正常な人生のコースとしてみる考えが強いことを示していたのである。
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Author:結婚アナリスト
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